大田区大森駅ナカの歯医者さん、大森のよこすか歯科医院です。
今回のテーマは「矯正治療の費用と歯科医の技術の差」です。
矯正治療を受ける歯科医院を選ぶ時には、虫歯治療の時と同じ感覚で選んではいけません。
虫歯治療の場合、ほとんどの方が通院の距離だけを基準にして歯科医院を選ぶと思いますが、
矯正治療では治療を受ける歯科医院を慎重に選んだ方が良いでしょう。
と言うのも、治療の費用や歯科医の技術などにおいて、歯科医院によって明確な差があるからです。
目次
矯正治療の費用が歯科医院によって異なるのには次の3つの理由があります。
矯正治療は自由診療であり、健康保険が適用されない治療です。
そしてこうした自由診療の場合、その費用は医療機関ごとで自由に設定できるようになっています。
もちろんある程度の相場は決まっているものの、医療機関ごとで費用を設定できるため、
当然歯科医院ごとで費用が異なる…つまり費用に差が出るのです。
自由診療に費用の概念がこのようになっていることから、
矯正治療に限らずホワイトニングやインプラントなどの治療費にも同じことが言えます。
矯正治療の方法はいくつかあり、どの方法を採用しているかは歯科医院によって異なります。
ワイヤー矯正に対応した歯科医院もあるでしょうし、マウスピース矯正に対応した歯科医院もあるでしょう。
そして、矯正方法が違うということは使用する医療器具も違うということになり、
これもまた歯科医院によって費用が異なる理由になっています。
ですから、いくつかの歯科医院で費用を比較する場合は、それぞれの歯科医院の治療方法にも注目しましょう。
それぞれの歯科医院が全く違う治療方法だとすれば、それはどちらが安いかという比較はできません。
矯正治療の費用の算出方法は主に2つで、1つは最初の時点で全額支払う「総額制」、
もう1つは通院するたびに費用を支払う「処置別払い制」です。
これらは単に支払いのシステムが違うだけでなく、トータルの費用において差を生む理由の1つになります。
例えば、矯正治療が予想以上に短い期間で終わった場合は処置別払い制の方が安くなります。
一方、治療期間が長引いた場合は総額制の方が安くなります。
このため、治療期間次第で総額制の歯科医院が安い場合もありますし、逆に高い場合もあるのです。
どんな業種でも人によってレベルの差があるように、歯科においても歯科医によってレベルの差はあります。
ですから、実際には虫歯や歯周病の治療でも歯科医によってレベルの差があるのです。
矯正治療は難易度の高い治療ですから、特にそのレベルの差がハッキリと出る治療です。
また、日本の歯科医師法では歯科医師免許があれば全ての歯科治療が行えるようになっており、
例えば矯正治療の経験がなくても歯科医であれば治療を行えます。
その一方で経験と実績のある歯科医もいるため、この点もレベルの差が出る原因になっています。
矯正治療における歯科医のレベルを判断する上で最も参考になるのが「資格」です。
矯正治療では、治療技術と歯科医のレベルの向上を目的とした学会がいくつか存在します。
その中でも特に会員数が多いのが日本矯正歯科学会で、この学会では認定医・専門医制度を設けています。
特に専門医の資格は簡単には取得できず、次の基準を全て満たしていなければなりません。
・日本矯正歯科学会・認定医の資格を有する歯科医師であること
・10年以上継続して学会の会員であること
・学会の定めた10種類の課題症例を自分で治療し、
なおかつそれら全ての治療結果が学会の定めた基準を満たして合格すること
・過去10年以内に学会の定めた刊行物、もしくは学術集会において矯正歯科に関する発表をしたもの
・学会倫理規定を遵守するもの
…この基準から分かるとおり、日本矯正歯科学会の専門医になるには最低10年の経験が必要であり、
なおかつ様々な症例において一定以上の治療実績がなければなりません。
このため、日本矯正歯科学会の専門医の資格を持つ歯科医なら矯正治療のレベルが高いと判断できます。
いかがでしたか?
最後に、矯正治療の費用と歯科医の技術の差についてまとめます。
1. 矯正治療の費用に差があるのはなぜ? :自由診療の概念、矯正方法、費用の支払いのシステムが理由
2. 歯科医に技術の差があるのはなぜ? :矯正治療は難易度が高いため、レベルの差が特にハッキリと出る
これら2つのことから、矯正治療の費用と歯科医の技術の差について分かります。
矯正治療における歯科医のレベルの高さを判断するには、
日本矯正歯科学会の専門医の資格に注目するのが良いと説明しました。
これについて1つ補足すると、
日本矯正歯科学会のWEBサイトでは専門医が在籍する歯科医院を都道府県別に検索できます。
このため、WEBサイトを利用すれば自宅の近くで専門医が在籍する歯科医院を簡単に探せます。