大田区大森駅ナカの歯医者さん、大森のよこすか歯科医院です。
今回のテーマは「ホワイトニングで歯が白くなる仕組み」です。
近年、歯科の診療科目の中で最も注目されているのは審美歯科でしょう。
虫歯や歯周病のない健康な歯を維持するだけでなく、歯そのものを美しく見せたい方が増えているのです。
そして審美歯科で行う治療の中で特に希望の多い治療が、歯を白くするホワイトニングです。
しかし、希望する方は多くてもホワイトニングの方法を知らない方はまだまだ多く、
「歯が白くなる治療」と漠然としたイメージを持っている方がほとんどです。
そこで、ここではホワイトニングの治療方法をテーマにして、なぜ歯が白くなるのかについて説明します。
目次
まずホワイトニングの治療方法について説明すると、治療方法自体は特に難しいことはありません。
ホワイトニング剤と呼ばれる専用の薬剤を歯に浸透させる…これがホワイトニングの治療方法です。
ただし、この治療方法には3つの種類があり、それぞれ効果や費用の点で異なる部分があります。
歯科医院で行う方法で、歯科医によって行われるため高濃度のホワイトニング剤を使用できます。
このため効果があらわれるまでの期間が短く、短期間で歯を白くできるのがメリットです。
ただしその反面後戻りも早いため、「早く白くできるが元に戻るのも早い」という特徴を持っています。
専用のマウスピースとホワイトニング剤を歯科医院で受け取った後、自宅で行う方法です。
自宅で行う点からオフィスホワイトニングほど高濃度のホワイトニング剤の使用ができません。
このため白くなるには期間がかかりますが、その分オフィスホワイトニングより白さが長持ちします。
オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを併用するため、それぞれの特徴を活かせる方法です。
このため、「早く白くできて長持ちする」という、3つの中で最も優れた方法です。
ただし、オフィスホワイトニングやホームホワイトニングに比べて費用は高くなってしまいます。
…ホワイトニングの方法にはこれら3つの種類がありますが、
いずれも「ホワイトニング剤を使用して歯を白くする」という治療方法自体は全く同じです。
ホワイトニングで歯が白くなる仕組みには、歯の表面のエナメル質が深く関わっています。
元も歯の変色というのは、歯の表面 のエナメル質ではなくその奥にある象牙質が変色しているのです。
ではなぜ歯の奥にある象牙質の変色が外側から見えるのか?…それはエナメル質が無色透明だからです。
例えるならエナメル質は透明ガラスに等しく、その奥にある変色した象牙質がそのままうつってしまうのです。
さて、ホワイトニング剤を使用するとそんなエナメル質を構造変化させることができます。
具体的には、エナメル質を透明ガラス状から曇りガラス状に変化させることができるのです。
そして、曇りガラス状になることで象牙質の変色をうつらなくさせ、歯が白くなったように見えるのです。
つまり「歯を白くする」ではなく「歯を白く見せる」というのがホワイトニングの仕組みです。
上記で説明したホワイトニングの仕組みがよく分かりやすい1つの例えを紹介します。
浴室で自分が入浴している場面を想像してみてください。浴室には窓ガラスがありますが、
この窓ガラスが単なる透明ガラスでは、外側から入浴しているあなたの姿が見えてしまいます。
しかし、窓ガラスを透明ガラスから曇りガラスに交換すれば、外側からあなたの姿は見えづらくなるでしょう。
これは当然の配慮であり、だからこそほとんどの浴室の窓は曇りガラスになっています。
実はホワイトニングの仕組みはこの例と全く同じです。
透明ガラスの向こうにあるもの…つまり変色した象牙質は通常外側から見えてしまいますが、
曇りガラスに交換…つまりエナメル質を構造変化させることで見えなくさせているわけです。
いかがでしたか?
最後に、ホワイトニングで歯が白くなる仕組みについてまとめます。
1. ホワイトニングの治療方法 :ホワイトニングの治療方法には3つの種類がある
2. 歯が白くなる仕組み :ホワイトニング剤でエナメル質を構造変化させ、象牙質を見えなくさせる
3. 1つの例 :浴室は入浴姿が見えないように曇りガラスになっているが、ホワイトニングはこれと同じ発想
これら3つのことから、ホワイトニングで歯が白くなる仕組みが分かります。
まとめると、ホワイトニングで歯が白くなるのはホワイトニング剤の効果によるもので、
透明ガラスに等しいエナメル質を構造変化させ、曇りガラスにすることで象牙質をうつらなくさせています。
つまり、歯を白くするのではなく歯を白く見せるというのがホワイトニングの仕組みです。
1つ注意点を追記しておくと、このホワイトニングはどんな変色にも対応できるわけではなく、
テトラサイクリンの影響による歯の変色には効果が薄いと言われています。