大田区大森駅ナカの歯医者さん、横須賀歯科医院です。
今回のテーマは「歯が痛い時の対処方法」です。歯が痛い時の応急処置として冷やす方もいれば温める方もいます。
確かに、身体のどこかが腫れた時は冷やすのが一般的ですし、膝の痛みや生理痛は温めるべきという意見もあり、どちらも正しいように思えます。しかし、実際には歯の痛みに対しては冷やすのが正解です。
温めるとダメな理由
歯の痛みはズキズキとして辛く、温めてリラックスした方が痛みを解消できそうにも見えます。しかし温めると血行が良くなるため、血流によって神経が圧迫されてしまいます。そうなるとむしろ痛みは増してしまい、その意味で温めてはいけないのです。直接温めるのはもちろん、次のことも温めるに含まれるためやってはいけない行為です。
入浴
身体を温める入浴は、歯が痛み時には痛みが増す原因になります。このため、歯が痛い時には簡単なシャワー程度ですました方が良いでしょう。
運動
身体を動かすと身体が温まって血行が良くなるため、運動は身体を温めるのと同じ意味になります。歯の痛みを紛れる感じもしますが、歯が痛む時の運動は避けてください
…温めるとダメなのは、血行が良くなるからです。ですから、結果的に血行が良くなる行為は全て歯が痛む時にはしてはいけません。
冷やす時の注意点
歯が痛む時には冷やすのが正解ですが、冷やし方によっては逆効果になります。つまり正しい冷やし方があるわけで、それは直接ではなく頬側から冷やすことです。直接冷やすのは患部にとって刺激が強く、そのためしみたり痛んだりしてしまいます。
このため、氷をくるんだタオルや水で濡らしたタオルで頬側から冷やす、もしくは解熱シートを頬に貼るなどの方法で冷やすようにしてください。その意味では、うがいをする場合も冷たい冷水は避けた方が良いでしょう。
その他の応急処置
歯が痛む時に冷やすのは治療ではなく、一時的に歯の痛みを解消する応急処置です。そして、応急処置は冷やす以外にも次のような方法があります。
痛み止めを飲む
歯科医院で処方されたものはもちろん、薬局で販売されているものでも構いません。効果の欄に「歯の痛み」と記載されていれば、その痛み止めによって歯の痛みを解消できます。ただし、痛み止めは飲んでから効くまで時間がかかるため、即効性がないのが欠点です。
正露丸を詰める
正露丸も痛み止めと同じで薬によって痛みを解消する方法ですが、このように別に紹介したのは使用方法が異なるからです。腹痛時には正露丸は飲んで使用しますが、歯が痛み時は患部に詰めて使用するのが正しい方法です。
救急センターに行く
発熱などに限らず、歯の痛みなどお口の病気に対する救急センターもあります。「歯科 救急 〇〇(地域)」でインターネット検索すれば、該当する救急センターがすぐ見つかるため、我慢できない痛みなら最寄りの救急センターを利用しても良いでしょう。
歯が痛い時にやってはいけないこと
歯が痛い時にやってはいけないことがいくつかあり、温めるのもその中の一つです。そして、温める以外には次のようなこともやってはいけません。
歯磨きする
誤解のないよう言っておくと、歯の痛みの有無と関係なく歯磨きは大切です。ですから、ここで言う歯磨きは痛みの解消を目的として歯磨きのことだと捉えてください。患部を直接磨くと傷つけて痛みが増してしまうため、ぬるま湯のうがい程度にした方が良いでしょう。
強くうがいをする
歯が痛む時にうがいをするのは間違いではありません。問題なのはうがいの強さで、強いうがいは歯磨きと同じで患部を傷つけてしまいます。ぬるま湯で丁寧なうがいを繰り返し行う…これが、歯が痛む時の正しいうがいの仕方です。
患部に触れる
ダメだとは分かっていつつも、歯が痛む時はどうしても患部が気になって触れたくなってしまいます。しかし患部に触れるのは厳禁で、触れることで痛みが増すどころか症状が悪化する可能性があります。指で触れれば指に付着している細菌が患部にも付着してしまい、悪さをすることが考えられるからです。
…例え冷やしたとしても、これらの行為を行えば歯の痛みは解消できません。正しい冷やし方を知ると同時に、こうしたやってはいけないことも知っておきましょう。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、歯が痛い時の対処方法についてまとめます。
1. 温めるとダメな理由 :血行が良くなるため、血流が神経を圧迫して痛みが増す
2. 冷やす時の注意点 :患部を直接冷やさず、濡れタオルや解熱シートを使って頬側から冷やす
3. その他の応急処置 :痛み止めを飲む、正露丸を詰める、救急センターに行く
4. 歯が痛い時にやってはいけないこと :歯磨きする、強くうがいをする、患部に触れる
これら4つのことから、歯が痛い時の対処方法について分かります。まとめると、歯が痛い時には冷やすのが正解です。しかし患部を直接冷やしてはならず、頬側から濡れタオルや解熱シートを使って冷やしましょう。
冷やすことで痛みはある程度解消できますが、それは一時的な応急処置であって治療としての効果は一切ありません。このため、痛みが解消されても必ず歯科医院に行って治療を受けてください。