大田区大森駅ナカの歯医者さん、大森のよこすか歯科医院です。
今回のテーマは「矯正治療における歯科医ごとの見解の違い」です。歯科治療では、歯科医によって意見や見解が異なるケースがあります。
例えば虫歯治療の際、歯科医Aには歯を削ると言われ、歯科医Bには削らなくても治ると言われる、こうした歯科医による見解の違いが理由で悩んだ経験のある方もいると思います。そして、矯正治療においてはそんな意見や見解の違いがより露わになります。
意見や見解が異なる理由
そもそもなぜ歯科医によって意見や見解が異なるのか?…その原因は歯科医の腕の差にあります。虫歯治療は歯科治療の基本ですが、それでも歯科医によって経験や技術や知識に差があり、その差が意見や見解の違いを生んでいるのです。
さて、矯正治療ではそんな意見や見解の違いがより露わになると説明しましたが、その理由は2つあります。1つ目の理由は、矯正治療は難易度の高い治療だからです。治療の難易度が高ければ歯科医による腕の差がよりハッキリ出るため、意見や見解の違いが出やすいのです。
もう1つの理由は矯正方法の違いで、矯正治療の方法は歯科医によって異なります。例えばマウスピース矯正とワイヤー矯正では対応できる症例が異なるため、マウスピース矯正を取り扱うと歯科医とワイヤー矯正を取り扱う歯科医で見解が異なるのは当然です。
意見や見解が異なった場合の対処方法
歯科医によって意見や見解が異なる場合、患者さんが悩むのはどの歯科医を信頼すれば良いかです。腕の良い歯科医の方を信頼すれば良いのですが、患者さんがそれを判断するのは難しいですからね。そこで参考になるのが、日本矯正歯科学会の認定医・専門医の資格です。
これらの資格は矯正治療において一定以上の実績がある歯科医のみ取得できるものですから、歯科医の矯正治療の腕の良さを判断する上で大いに参考になります。ちなみに、認定医と専門医ではレベルの高さは専門医の方が上です。
日本矯正歯科学会の認定医・専門医
日本矯正歯科学会の認定医・専門医の資格を取得するには、それぞれ次の基準を満たさなければなりません。
日本矯正歯科学会の認定医の場合
・歯科医師免許を有すること
・歯科医師免許取得後、5年以上継続して学会会員であること
・学会指定研修機関において、5年以上矯正歯科研修を修了したもの
・学会の認めた学術刊行物において、矯正歯科臨床に関する報告を発表したもの
・学会倫理規定を遵守するもの
…注目すべき点は、認定医の資格を取得するには最低5年の経験が必要である点です。矯正治療は歯科医師免許を所持していれば行える治療のため、経験の浅い歯科医が治療するケースもあるでしょう。その点、認定医なら最低5年の矯正治療の経験を積んだ歯科医ということになります。
日本矯正歯科学会の専門医の場合
・日本矯正歯科学会・認定医の資格を有する歯科医師であること
・10年以上継続して学会の会員であること
・学会の定めた10種類の課題症例を自分で治療し、なおかつそれら全ての治療結果が学会の定めた基準を満たして合格すること
・過去10年以内に学会の定めた刊行物、もしくは学術集会において矯正歯科に関する発表をしたもの
・学会倫理規定を遵守するもの
…注目すべき点は、専門医の資格を取得するには最低10年の経験がある点と、多くの症例において学会の定めた治療実績が必要という点です。
つまり専門医はただ経験を積めば良いのではなく、治療において一定以上の結果を出していなければならず、まさに「腕の良い矯正歯科医」と呼べるだけの技術を誇っている証明でもあります。
日本矯正歯科学会の認定医・専門医の探し方
日本矯正歯科学会のWEBサイトでは、認定医や専門医の在籍する歯科医院を都道府県別に検索できます。もちろん歯科医院の住所と連絡先も確認できるため、このWEBサイトを利用すれば簡単に認定医や専門医からの治療を受けられます。
矯正治療は治療期間が長く、そのため長期間の通院が必要です。その点を考慮し、通院が苦にならない距離で認定医や専門医の在籍する歯科医院を探しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、矯正治療における歯科医ごとの見解の違いについてまとめます。
1. 意見や見解が異なる理由 :「腕の差」、「採用している矯正方法の違い」などが考えられる
2. 意見や見解が異なった場合の対処方法 :日本矯正歯科学会の認定医・専門医に相談する
3. 日本矯正歯科学会の認定医・専門医 :それぞれの資格取得には厳しい基準を満たさなければならない
4. 日本矯正歯科学会の認定医・専門医の探し方 :日本矯正歯科学会のWEBサイトを利用する
これら4つのことから、矯正治療における歯科医ごとの見解の違いについて分かります。矯正治療は元々難易度の高い治療ですし、難しい症例の場合はさらに治療の難易度が高くなります。このため、歯科医の腕の差が明確に出てそれが意見や見解の違いを生むことがあります。
患者さんとしては当然腕の良い歯科医の意見や見解を優先したいでしょうから、そのためには日本矯正歯科学会の認定医・専門医の資格に注目すると確実です。