歯周病の治療にはどんなものがあるの?

大田区大森駅ナカの歯医者さん、大森のよこすか歯科医院です。
今回のテーマは「歯周病の治療方法」です。
口の中の一般的な病気と言えば、虫歯と歯周病が真っ先に思い浮かぶでしょう。

どちらも有名な病気ですから、知らない人はまずいないと思います。
しかし、治療方法においては歯周病に関してはあまり知らない人と答えるも多いため、
ここでは歯周病の治療方法について説明していきます。

進行状況によって異なる治療方法

歯周病の治療方法は必ずしも同じとは限りません。
これは虫歯の治療方法にも言えることですが、具体的な方法は進行状況によって異なるからです。

つまり歯周病になった2人の患者さんがいたとして、
この2人の歯周病の進行状況が異なっていた場合、行う治療は全く別の物になるわけです。
当然症状が軽ければ治療内容も軽くなり、酷く進行していればそれに応じた治療を行います。

ちなみに歯周病の進行状況は3段階に分けられているため、
以下ではそれぞれの段階で行う治療を説明していきます。

初期段階の歯周病の場合

初期段階の歯周病の治療方法は、スケーリングとプラークコントロールです。
スケーリングとは歯に付着したプラークや歯石を専用の器具を使って除去する治療です。
ただのクリーニングと思うかもしれませんが、特に歯石は歯磨きでは除去できないため、
歯周病治療においてスケーリングは大変重要な治療です。

次にプラークコントロールですが、これは患者さん自身が効率よくプラークを除去することを意味します。
メインは歯磨きになりますが、ただ磨くだけでは口の中のプラークを半分も除去できないでしょう。
このためプラークコントロールの効果を高める意味で、治療時にはブラッシング指導を行います。

正しい歯磨きの方法を覚えて実践できてこそ、
はじめてプラークコントロールと呼ばれるだけの効果が得られます。

中期段階の歯周病の場合

中期段階の歯周病になると、スケーリングとプラークコントロールだけで治すことはできません。
これらの基本治療に加え、必要であればフラップ手術を行います。
フラップ手術とは歯肉を切開する手術で、目的は歯周ポケット内の清掃です。

歯と歯肉の間には溝があり、この溝のことを歯周ポケットと呼びます。
歯周ポケットにはプラークや歯石が溜まりますが、本来なら外側から除去することが可能です。
しかし歯周病が進行すると歯周ポケットの溝が深くなり、外側からプラークや歯石を除去できません。
そこでフラップ手術によって歯肉を切開し、そこから歯周ポケット内を清掃するのです。

 重度段階の歯周病の場合

治療方法としては中期段階の場合とほぼ変わらないですが、
症状が悪化していることで治療期間は格段に長くなります。
また、あまりに酷い場合は抜歯するしかないケースもあります。

この段階まで進行すると歯槽骨がかなり溶かされてしまっていますが、
歯科医院によって骨の再生治療を行って溶かされた歯槽骨をある程度の状態まで戻せます。
ただしこの治療は万能とは言えません。

なぜなら対応できる症例が限られている上に、完全に骨を元通りにすることはできないからです。
また、骨の再生治療は健康保険が適用されないため、費用も高額になっています。

ちなみに抜歯となった場合ですが、
歯を失うことになるためその後は入れ歯やブリッジやインプラントで対処します。

メンテナンス

歯周病の場合、治療後もメンテナンスを行います。
メンテナンスは治療の1つと捉えるべきで、これを怠ると治療の効果が失われてしまいます。
メンテナンスの期間や頻度は歯科医院ごとで異なるため、一概にこの場で断言することはできません。

ただ確実なのは、進行した歯周病の治療ほどメンテナンスの期間も長くなるということです。
その意味では、歯周病の治療は長期間の通院が可能な距離の歯科医院で治療を受けるべきでしょう。
状態によっては1年以上の通院が必要になることもあります。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病の治療方法についてまとめます。

1. 進行状況によって異なる治療方法 :歯周病の治療方法は一定ではなく、進行状況によって異なる
2. 初期段階の歯周病の場合 :プラークや歯石を除去するスケーリングとプラークコントロール
3. 中期段階の歯周病の場合 :スケーリングとプラークコントロール、必要であればフラップ手術を行う
4. 重度段階の歯周病の場合 :中期段階の場合と治療方法はほぼ同じだが、治療期間が長くなる
5. メンテナンス :歯周病は治療後にメンテナンスが必要。怠ると治療の効果が失われてしまう

これら5つのことから、歯周病の治療方法が分かります。
このように、歯周病の治療内容は進行状況によって異なりますが、
進行するに比例して治療内容も大掛かりなものになってきます。

初期段階ではスケーリングとプラークコントロールで治せるものが、
中期段階になるとフラップ手術、さらに重度段階になれば抜歯が必要となるケースもあるのです。
このため、歯周病の治療においては早期治療することが患者さんにとって負担が小さくなるのです。

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この記事を書いた人

「その人医療」をコンセプトとして掲げ、日々診療を行っています。
医療を受けるその人の、その後の人生までを視野に入れて診療を行い、良きパートナーとして今後のお付き合いをさせていただきたい。
そういった想いを持って「歯科」という切り口からアプローチしています。

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