虫歯ってそもそもどういう状態なの?

大田区大森駅ナカの歯医者さん、大森のよこすか歯科医院です。
今回のテーマは「虫歯とはどんな状態を示すのか」です。
虫歯とはどんな状態なのか?…この質問に対して多くの人は「歯が痛む状態」と答えるでしょう。

しかし歯が痛むというのはあくまで自覚症状であり、痛むからには痛みが起きる理由があります。
そしてその理由を知ることが、虫歯の状態を知ることにもなるのです。
なぜ虫歯になると痛むのか?…その理由を知ることでより虫歯に対する危機感と予防意識が芽生えます。

1. 虫歯の進行

さて、今回のテーマでもある「虫歯とはどんな状態なのか?」の質問に対して一言で答えることはできません。
一般的な回答をするなら「虫歯とは歯が虫歯菌に感染した状態」というのが正論になりますが、
実際に今どんな状態にあるかは虫歯の進行度によって異なるからです。

歯科の世界ではそんな虫歯の進行度は4段階で分けられており、それぞれC1、C2、C3、C4と表します。
数字が高くなるほど虫歯が進行していることを示しており、
進行度によって状態や起こる症状はもちろん、治療方法も異なってくるのです。

2. C1段階の虫歯

C1段階の虫歯は歯の表面にあるエナメル質だけが虫歯になった状態です。
言ってみれば完全に初期段階であり、この段階では歯が痛むことはありません。
治療においても状態次第では削らずに治すことが可能ですし、削ったとしても範囲はごく僅かです。

このため、C1段階の虫歯はそこまで深刻な状態ではなく、治療も簡単なものですむのです。
唯一の問題点は、痛みがないためこの時点で虫歯であることに気付きにくいことです。
C1段階で治療を受ければ容易に治せますが、そもそもこの段階で虫歯を自覚するのは難しいのです。
最も、歯科医院の定期検診を受けていればC1段階の虫歯も確実に発見できるでしょう。

3. C2段階の虫歯

C2段階の虫歯はエナメル質の奥に位置する象牙質まで虫歯になった状態です。
刺激に敏感な象牙質が虫歯菌に侵されて痛みを感じるため、誰もがこの段階で虫歯を自覚します。
「虫歯が痛む」と言って歯科医院に訪れた人は、大抵このC2段階の状態になっています。

ここまで進行すると削らずに治すことはできないですし、C1段階に比べて削る範囲も深くなります。
具体的には象牙質まで削ることになるため、治療においても痛みを感じてしまいます。
多くの人が抱いている虫歯に対する症状や治療のイメージは、このC2段階の虫歯です。

4. C3段階の虫歯

C3段階の虫歯は歯髄…つまり歯の神経まで虫歯が進行した状態です。
虫歯菌が神経に侵入することで痛みは激痛に変化し、夜眠れないほどの激しい痛みが常に続きます。
こう表現すると怖く感じるでしょうが、実際には痛みを感じるC2段階で虫歯に気付きます。
このため、放置することさえしなければC3段階まで虫歯が進行することはありません。

ここまで虫歯が進行すると削るだけで治すことはできず、
神経の除去やその箇所を清掃や消毒する根菅治療が必要になっています。
ちなみに、激痛が一定期間続いた後は逆に一切痛みを感じなくなります。
これは神経が死んでしまったのが理由であり、決して虫歯が治ったわけではありません。

5. C4段階の虫歯

分かりやすく言えば、末期の虫歯です。既に歯は原型をとどめていないほどボロボロになり、
神経も死んでしまっているため痛みを感じることもありません。
虫歯菌を駆除するために治療は必要なものの、治療しても歯を残せない可能性があるでしょう。

ちなみに治療不可と診断された場合は抜歯をすることになり、
抜歯した箇所は入れ歯やインプラントやブリッジで対応することになります。
これらは虫歯治療とは全く別の治療ですから、また新たに治療期間や費用を要します。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、虫歯とはどんな状態を示すのかについてまとめます。

1. 虫歯の進行 :虫歯の状態、症状、治療方法は進行度によって異なり、進行度はC1~C4の4段階で表される
2. C1段階の虫歯 :歯の表面だけ虫歯になった状態で痛みはないが、その分虫歯であることに気付きにくい
3. C2段階の虫歯 :象牙質まで虫歯が進行した状態で、ここで初めて「痛み」という自覚症状がある
4. C3段階の虫歯 :神経まで虫歯が進行した状態で激痛を感じる。放置しなければこの段階には至らない
5. C4段階の虫歯 :末期状態。歯はボロボロになって神経も死んでおり、治療しても歯を残せないことがある

これら5つのことから、虫歯とはどんな状態なのかが分かります。
さて、歯科の世界においては虫歯の進行度はC4段階で最大ですが、
仮にそこでも治療しなかった場合、虫歯はさらに恐ろしい症状を引き起こします。

虫歯菌が血液に侵入し、血管を通して全身に回ってしまうのです。
その結果脳梗塞や心筋梗塞を招く恐れがあり、実際にこのケースによって死に至った事例もあるのです。
可能性としては稀なものの、虫歯を放置すれば思わぬ危険な病気を招くことがあるのです。

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この記事を書いた人

「その人医療」をコンセプトとして掲げ、日々診療を行っています。
医療を受けるその人の、その後の人生までを視野に入れて診療を行い、良きパートナーとして今後のお付き合いをさせていただきたい。
そういった想いを持って「歯科」という切り口からアプローチしています。

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