大田区大森駅ナカの歯医者さん、大森のよこすか歯科医院です。
今回のテーマは「歯の失う原因の1位が歯周病なのは本当なのかについて」です。
日本人が歯を失う原因として常にトップに君臨しているのが歯周病です。
その点では既にテーマとしての結論は出ており、歯を失う原因の1位が歯周病というのは本当です。
考えなければならないのは、なぜ1位になるほど多くの人が歯周病に悩まされているのかということで、
いわば歯周病が歯を失う原因のトップになってしまっている理由を考えてみます。
1. 歯周病であることに気付きにくい
歯周病には虫歯の痛みのような分かりやすい自覚症状がありません。
口臭や歯肉の腫れなどの自覚症状があるものの、自身では気付きにくいのです。
このため自身が歯周病であることに気付かず、気付いた時には進行してしまっているケースがほとんどです。
当然治療も遅れますし、進行の度合いによっては歯が残せないこともあります。
歯周病は重症化すると顎の骨が溶かされて歯が抜け落ちてしまいますが、
発覚と治療が遅くなりがちな分重症化しやすく、手遅れという形で歯を失ってしまうのです。
2. 軽視されやすい
虫歯に対して人が敏感なのは、虫歯になると歯が痛むからです。
痛みを嫌うのは人として当然の感情ですし、だからこそ誰もが虫歯治療や予防を心掛けています。
一方、歯周病はそんな虫歯に比べると軽視されがちな意見をよく耳にします。
「痛みがないから問題ない」と捉えてしまい、例え歯周病を自覚していても放置する人が多いのです。
この問題を改善するには、歯周病に対するそもそもの考え方を改める必要があります。
治療するかどうかの基準を痛みの有無で判断する、この考え方は厳禁です。
3. 歯磨きだけでは予防が難しい
歯周病の予防方法自体は簡単で、口腔内を常に清潔にしていればそれで歯周病は防げます。
しかし、実際にそれを徹底しようとすると難しい部分がいくつかあるのです。
目に見えないプラークを完全に除去するのは不可能ですし、プラークは時間が経つと歯石に変化します。
歯石はブラッシングでは除去できないですし、歯石の中には億単位の数の細菌が潜んでいます。
プラークの完全な除去が難しい上に時間が経つと歯石に変化する、
さらに歯石になってしまえばより歯周病になる危険性が高まる、これらの理由で予防が難しいのです。
4. 日常生活も歯周病の要因になる
実は歯周病は生活習慣病ともいわれており、日常生活が要因で引き起こされることがあります。
具体的には疲労、ストレス、喫煙などが歯周病の要因となり、どれも現代社会で防ぐことは困難です。
喫煙は禁煙の意志次第で改善できますが、疲労やストレスが皆無な生活を過ごすのは不可能でしょう。
つまり、社会人として生活している以上は常に歯周病になるリスクが付きまとうわけで、
それが日本人の成人の7割以上が歯周病であるという結果にあらわれているのです。
いくら丁寧に歯磨きしていても、こうした日常生活が要因で歯周病になることもあるのです。
5. 予防方法
これだけ歯周病の問題が深刻な以上、どうやって予防するかが大切なポイントになってきます。
そして、上記で説明したように歯磨きだけでは予防は不充分です。
そこでおすすめしたいのが、歯科医院で定期検診を受けることです。
口腔内のクリーニングによってプラークだけでなく歯石も除去できますし、
正しい歯磨きの方法を指導してもらえるので毎日のブラッシング効果も高まります。
また、定期検診を受けていれば仮に歯周病になっても早期発見と早期治療が容易になります。
ちなみに、歯科医院の定期検診は歯周病だけでなく虫歯予防にも効果的です。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、歯の失う原因の1位が歯周病なのは本当なのかについてまとめます。
- 歯周病であることに気付きにくい :自覚症状が少なく歯周病だと気付きにくいので重症化しやすい
- 軽視されやすい :痛みがないので症状を軽く見る人が多い。痛くないという理由で放置する人もいる
- 歯磨きだけでは予防が難しい :歯石はブラッシングで除去できないため、歯磨きだけでは予防が困難
- 日常生活も歯周病の要因になる :歯周病は生活習慣病。疲労やストレスなどで引き起こされることもある
- 予防方法 :毎日の歯磨きに加えて歯科医院で定期検診を受けること。早期発見と早期治療も可能になる
これら5つのことから、歯の失う原因の1位が歯周病なのは本当なのかが分かります。
歯を失う原因の1位が歯周病なのは事実であり、その現状に至っている理由が今回の説明で分かります。
歯を失うという点から、歯周病は高齢の人だけに起こる病気のように思われがちです。
しかしそれは間違いで、歯肉がある時点で誰だって歯周病になる可能性があります。
つまり、大人はもちろん小学生の子供でさえも歯周病になる可能性があるのです。
口腔内の病気といえば真っ先に虫歯を想像しがちですが、歯周病への注意も忘れてはいけません。